宗教法人 観音御光之会の教義を解説します。
本尊:観世音菩薩を代表とする仏様
所依経典:妙法蓮華経観世菩薩普門品第二十五(観音経)、般若心経、延命十句観音経
宗教法人観音御光之会は観世音菩薩を本尊として、観世音菩薩の救済の教義をひろめ、
所依の儀式及び行事を執行し、信者を教化育成し、衆庶をして安心立命を得せしめることを目的とし、
その目的を達成するために必要な宗教活動をおこなう。
観音経とは
ただひたすら観世音菩薩の救済を信じ、生老病死苦・貪瞋痴(欲など)に苦しむ衆生を
救ってまいりましょう、という教えでございます。
観音経(かんのんきょう)は、正式には
「妙法蓮華経観世音菩薩普門品(みょうほうれんげきょうかんぜおんぼさつふもんぼん)」といい、
法華経(ほけきょう)の第25品にあたる部分です。この経典は観音菩薩(観世音菩薩)の
慈悲と救済の力について説かれています。以下に観音経の概要と主要な内容を説明します。
観音経の概要
観音経は、観音菩薩がどのようにして苦しむ人々を救うかを説いた教えです。
観音菩薩は、その名の通り、人々の声を「観」て、「音(苦しみ)」を聞き、
それに応じて救済を行う菩薩とされています。
この経典は、観音菩薩への信仰と祈りが人々の苦しみを取り除くと説いています。
主要な内容
- 観音菩薩の名号の力: 観音菩薩の名を唱えることで、様々な苦難から救われると説かれています。たとえば、火災や水難、悪獣、盗賊からの救い、さらには病気の治癒や家庭の平安など、多岐にわたる救済が述べられています。
- 観音菩薩の慈悲と姿: 観音菩薩は、苦しむ人々を救うために多様な姿に変身することができるとされています。これは「三十三応身(さんじゅうさんおうじん)」と呼ばれ、人々の状況に応じて適切な形で現れます。
- 観音菩薩の誓願: 観音菩薩は、自らの誓願により、あらゆる人々を救済すると誓っています。経典には、観音菩薩が持つ無限の慈悲と力についても詳述されています。
観音経の重要性
観音経は、多くの仏教信者にとって非常に重要な経典です。特に、観音菩薩信仰が盛んな地域では、
観音経の唱和や読誦が広く行われています。また、観音菩薩の慈悲と救済の教えは、
多くの人々に安心感と希望を与えるものとされています。
観音経の影響
観音経は、仏教の広範な信仰の中で重要な位置を占めています。観音菩薩信仰は、
東アジアを中心に広がり、多くの寺院や仏教文化の中で観音菩薩が崇拝されています。
また、観音菩薩像や絵画は、芸術的な側面でも重要な影響を持っています。
観音経は、その普遍的な救済のメッセージと深い慈悲の教えにより、
多くの人々に信仰と希望を与える重要な経典です。
般若心経とは
般若心経(はんにゃしんぎょう)は、仏教の大乗経典の一つで、正式名称は「摩訶般若波羅蜜多心経」
(まかはんにゃはらみたしんぎょう)です。この経典は、般若(パーリ語: プラジュニャー)と
呼ばれる智慧について説かれており、非常に短いながらも深遠な内容を持つことで知られています。
般若心経の概要
般若心経は、わずか260字(漢字)から成り、仏教経典の中でも最も短い部類に入ります。
しかし、その内容は仏教の核心を端的に示しており、特に空(くう)の概念について
詳しく説明されています。
空とは、すべての存在や現象が実体を持たず、相互に依存しあって成り立っているという
仏教の根本的な教えです。
主要な内容
- 観自在菩薩: 般若心経の冒頭で登場する観自在菩薩(観音菩薩)は、深い智慧をもってすべての苦しみを超越した存在として描かれています。
- 空の教え: 般若心経の中心的なテーマは空(くう)です。ここでは、五蘊(ごうん:色、受、想、行、識)がすべて空であると説かれています。五蘊とは、存在を構成する要素のことで、それらが実体を持たないことを示しています。
- 無明からの解放: 経典では、無明(むみょう:無知や無理解)から解放されることで、あらゆる苦しみや障害が消え去ると説かれています。これは、般若波羅蜜(完全な智慧)を修行することで達成されるとされています。
- マントラ: 般若心経の最後には、「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶」(ぎゃていぎゃていはらぎゃていはらそうぎゃていぼうじそわか)というマントラが含まれています。このマントラは、修行者が智慧を完成させるための祈りの言葉とされています。
般若心経の影響
般若心経は、仏教徒だけでなく、広く一般にも親しまれている経典です。
その短さとシンプルさから、多くの人々が暗唱することができ、
仏教の教えを日常生活に取り入れる手助けとなっています。
また、多くの仏教寺院で日常的に読まれ、仏教芸術や文学にも大きな影響を与えています。
般若心経は、その簡潔さと深遠な教えにより、仏教の智慧と空の理解を象徴する重要な経典です。
多くの人々にとって、般若心経は日々の修行や瞑想の中心となるものであり、
その教えは時間を超えて広く影響を与え続けています。
延命十句観音経とは
延命十句観音経(えんめいじっくかんのんぎょう)は、日本の仏教における短い祈りの経典で、
観音菩薩の慈悲と救済を願う言葉が10句にまとめられています。
この経典は、特に健康や長寿、平安を祈る際に唱えられることが多いです。
延命十句観音経の構成
延命十句観音経は以下の10句から成り立っています。
- 観世音(かんぜおん)
- 南無仏(なむぶつ)
- 与仏有因(よぶつういん)
- 与仏有縁(よぶつうえん)
- 仏法僧縁(ぶっぽうそうえん)
- 常楽我浄(じょうらくがじょう)
- 朝念観世音(ちょうねんかんぜおん)
- 暮念観世音(ぼねんかんぜおん)
- 念念従心起(ねんねんじゅうしんき)
- 念念不離心(ねんねんふりしん)
意味と解説
- 観世音: 観世音菩薩を称える呼び名です。観音菩薩は、すべての音(苦しみの声)を聞き入れて救済する菩薩として知られています。
- 南無仏: 仏に帰依するという意味です。「南無」は「帰依する」という意味で、「仏」は仏陀を指します。
- 与仏有因: 仏と因縁を結ぶという意味です。「因」は原因や縁を意味し、仏と結びつくことを指します。
- 与仏有縁: 仏と縁を結ぶという意味です。「縁」は条件や機会を意味し、仏と結びつく機会を指します。
- 仏法僧縁: 仏法僧(仏教の三宝)との縁を結ぶことを意味します。三宝とは仏、法、僧を指します。
- 常楽我浄: 仏教の四つの特性を指します。「常」は永続、「楽」は安楽、「我」は本来の自己、「浄」は清浄を意味します。
- 朝念観世音: 朝に観音菩薩を念じることを意味します。
- 暮念観世音: 夕暮れに観音菩薩を念じることを意味します。
- 念念従心起: すべての念が心から起こることを意味します。心から観音菩薩を念じることを指します。
- 念念不離心: すべての念が心から離れないことを意味します。常に観音菩薩を念じ続けることを指します。
延命十句観音経の意義
この経典は、観音菩薩への信仰と祈りの中心的なものとなっています。
特に延命や健康、平安を願う際に唱えられることが多く、その簡潔さとリズム感から、
多くの人々に親しまれています。経文を唱えることで、
心の安定や安心感を得ることができるとされています。
延命十句観音経は、その短いながらも深い意味を持つ言葉で、
多くの仏教徒にとって重要な祈りの経典です。観音菩薩の慈悲と救済を願い、
日々の生活において心の平安と健康を求める際に役立つものとなっています。